
精油(アロマオイル、エッセンシャルオイル)はマッサージなどを通じて体のケアに使用するだけではなく、メンタルや心に働きかけることもできます。心身の健康を同時にケアすることのできるおすすめ精油のうち、妊婦さんでも使えるもの3つをセラピストが厳選してご紹介します。
この記事の目次
アロマセラピーは五感の中でも嗅覚に働きかけ、感情をケアしてくれる
日本で一般的にアロマセラピーが広まったのはここ2~30年のことですが、精油のもとになっているハーブなどの植物は太古の時代から人々の健康のために使われていました。
単純に植物を食べて健康に良いということだけでなく、土地によってはシャーマンと呼ばれる人達がハーブを人々の心を癒す民族的な儀式などで使っていたともされています。
私達の心は様々な刺激から影響を受けます。
目に飛び込んでくる色や景色、耳に入ってくる騒音、肌に触れる空気の湿度、人から受ける言葉。
それら全てを脳が処理して、不快な気分になったり、心地よいと感じたり、私達の感情は常に五感を通して動き続けていますよね。
ではその五感のうちのひとつ、嗅覚からダイレクトに脳に伝わる精油の香りが、感情に影響を与えないはずはない!と私は考えています。
実際にアロマセラピーというものが確立されてからのあいだ、専門家たちは精油と感情との細かな関係について沢山の研究をしてきました。
とても浅い部分だけで言えば、「この精油を嗅ぐとリラックスする」「この精油をかぐと気分がシャキッとする」という漠然なものになってしまうのですが、その「リラックス」の中にも、気分が落ち込んだ時に前向きにしてくれるような精油であったり、自信を失くした時に再び立ち上がらせてくれるような精油であったり、深い悲しみや突然のショックから気持ちを切り離してくれる精油であったり・・・実は各精油の対応する感情というのも様々です。
これはアロマセラピーの歴史の中で専門家が重ねてきた統計による見解であったり、その植物が太古の時代にどう使われていたかというルーツによる見解も含まれていたりと専門家によって色々な判断がなされていますが、しかし実際に使ってみると分かるのは、そういった「精油の感情への働きかけ」に関する情報のほとんどが自分にも周りの人にも当てはまることが多いということです。
今回は妊娠中のママさんでも使えるもので、感情に深く働きかけて癒してくれる次の3つの精油をご紹介します。
- ネロリ
- グレープフルーツ
- ローズウッド
妊娠中も使える感情に働きかける精油その1 ネロリ
ビターオレンジのお花から採れるネロリは古くから神経系に緩やかな強壮作用があると言われてきました。もしネロリオイルを薬に例えるなら鎮静剤、抗うつ剤のようなものでしょうか。耐えられないような不安や緊張を落ち着けて、心の疲労から解放し安らぎと明るさを与えてくれるような香りです。
ネロリは元々感受性が強く動揺しやすい人の気持ちを軽くするのにもよく勧められますし、とても辛いことが起きてショックで落ち込んでいるような時に、再び立ち上がる自信を与えてくれる香りだと私は思っています。以前、お母様を亡くしたばかりでふさぎ込んでいるという知人女性にたまたまネロリの香りを嗅いでもらったところ途端に表情が柔らかくなって、色々なお話をされて「少し前向きになれそう」と元気になって帰られたことがありました。
妊娠中の、出産や育児に対する漠然とした不安や不眠でどうしようもない気分になってしまった時、優しく心を紐解いてくれるような精油です。
妊娠中も使える感情に働きかける精油その2 グレープフルーツ
グレープフルーツも天然の抗うつ剤などと例えられることがよくありますが、ネロリとはまた違って、冷えた心を瞬時にパッと明るく温めてハッピーにするような気分を高揚させる香りです。
グレープフルーツが脂肪燃焼やダイエットに良いという話は聞いた事がある方も多いと思いますが、これも感情への働きかけの面から捉えると、神経が張っていて緊張状態にある人はストレスから食べることで気持ちを和らげようとするので、そこをグレープフルーツの香りから得られる多幸感によって食欲を抑えることができるため、とも言えるのです。
冬に気分がふさぎ込みがちになる時や、やらなきゃいけないことがあるけどなんだか無気力、お出かけする予定はあるけど心が疲れていてどうも気分がのらない・・・そんな時に一役買ってくれるでしょう。妊娠中はもちろん、育児中、疲れているけどご飯を作らなきゃ、というようなもうひと頑張りの元気が欲しい時にも使いたい香りです。
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妊娠中も使える感情に働きかける精油その3 ローズウッド
最近では伐採が問題になり、業界全体で生産が減ってしまっていはいますが、ローズウッドも妊娠中に安心して使える精油として有名です。
ローズウッドは眠気を誘わずに心を落ち着かせてくれる、瞑想などの心の鍛錬やヒーリングにも良い精油です。甘いローズと木々の中間のような香りは精神のバランスを取ってくれて、いつでも自分の中間に戻してくれるような落ち着いた香りと言えるでしょう。眠くなるような深いリラックスというよりは、適度に気分を高揚させてくれて、人生に疲れていたり落ち込んでいるような人に活気を取り戻させてくれるような香りです。
私は若さ故に情緒不安定で落ち込みやすかった10代の頃、ローズウッドの香りがなぜかとても好きでした。自分に必要な香りを無意識に選んでいたのかもしれませんね。
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精油(香り)は感情のパロメーター。心が不安定になりやすい妊婦さんに精油のケアはおすすめです
香りの感じ方は人それぞれ、女性の場合はホルモン周期の流れによっても左右されるものですが、色々な精油に日々囲まれながら過ごしていると「こういう気分の時にはこの精油にどうしようもなく惹かれる」とか「普段から好きなわけじゃないのに、ものすごく疲れている時にだけこの香りが欲しくなる」といったように、自分の感情と精油の香りに段々と紐付けができてくるので不思議です。
もちろん個人的な記憶などとも関連しているのかもしれませんが、香りへの感じ方を自分の感情のバローメーターのようにして色々試してみると、意外なところで自分を発見するきっかけにもなり面白いですよ!
参考文献:
「The Fragrant Mind」Valerie Ann Worwood
「アロマセラピー完全ガイド」サルバトーレ・バタリア
※妊娠中の精油を使ったケアについてはこちらの記事も参考にしてみてください。
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