
ニュージーランドのマヌカの木の花から作られるマヌカハニーは、オーガニック好き・自然派のママの間での認知度が高く、風邪予防や滋養強壮などの目的で食べられています。しかし、マヌカハニーには偽物が多いと言われており、効果がない(普通のはちみつ)なのに高額で取引されているという話もあります。また、マヌカハニーの抗菌力のクオリティの指標になるUMFやMGOなど様々な数値がありますが、それらの中には特定の企業が独自に使っている(よって信頼性が低い)ものもあります。
そこでこの記事では、日本で手に入る本物のマヌカハニーのブランド・メーカーの選び方、UMFやMGOなどの指標となる数値、偽物の疑惑のあったマヌカハニーのブランド情報やおすすめのブランドの情報を書いていきます。※2018年12月現在。
この記事の目次
マヌカハニーの品質の指標になるUMFやMGOなどの数値にはどんなものがある? 何が正しい(信頼できる)の?
マヌカハニーは、様々な品質のものがあります。マヌカハニーに期待されている抗菌力は、トップレベルのものであれば医薬品のように使うこともできる一方で、低いレベルのものは通常のハチミチと何らか変わらないとも言われています。
そこで、この記事では基本的に何らかの品質の指標を表す数値が記載されているマヌカハニーのみをご紹介します。
ところで、このマヌカハニーの抗菌力の品質指標は、時間の経過とともに変化してきました。UMGやMGOといった単位は、何を基準にしてマヌカハニーの抗菌力を測るかによって異なります。さらに、近年では特定のブランドによる指標も生まれており、消費者にとってとても分かりにくい状況が続いています。
目下普及しているもの・マイナーなものも含めると、マヌカハニーの品質指標は以下のものがあります。
- UMF
- MGO
- TA
- NPA
- MGS
- MG(=MGOと同じ)
これらの指標の中で、2018年12月現在、ニュージーランド政府に正式に認められているのは、UMF、MGO、MGSです。
そして、結論から言うと、これらの単位の中で現在最も最新の基準となり、医療レベルでの効果やトレーサビリティなどが信頼できる指標はMGSです。ただし、UMFも多くのマヌカハニーに使用されており、一般的な健康効果が保証されています。
以下、マヌカハニーの品質指標がどのように変遷してきたのか?についてお伝えしていきます。
マヌカハニーの品質の指標の変遷~UMF、MGO、MGSなどは何が違うの?
マヌカハニーという製品が抗菌力に注目されて世界的に輸出される製品になったきっかけは、マヌカハニーの父と呼ばれるイギリス人のモラン博士の研究でした。
それまで民間療法的にニュージーランドの人々が食べたり使っていたマヌカハニーの健康効果に着目し、科学的研究によって広く世界にマヌカハニーを知らしめることになったモラン博士は、マヌカハニーの抗菌力を指標化しUMFを作り、1982年にUMF協会を立ち上げます。UMFは、病院等で使用されるフェノール液と比較して何倍の健康活性があるのかを測定して表示します。
UMF5+~20+の範囲内でその品質を表示します。
なお、2008年には組織とモラン博士自身との見解の違いから、創始者のモラン博士自身はUMF協会から脱退しました。とはいえ、UMFは、ニュージーランドにあるマヌカハニーの会社の多くが採用している品質基準であり、この記事でもおすすめしているMGS同様、ノン・ペロキサイド・アクティビティーを計測して指標とし、さらに、MGO値も併記しています。
MGOは、メチル・グリオキサールの略称で、ドイツ人のトーマス・ヘンレ氏が創始した基準です。MGO30~400という範囲で品質を表示します。メチル・グリオキサールはまだ新しい物質で研究途上です。なお、MGOを採用している会社の製品には、基本的にはフェノール液を基準とするUMFやMGSの基準は併記されません。なお、MGOと表記されたり、MGと表記されたりしますが、どちらも同一のメチル・グリオキサールを指します。
MGSは、UMFの協会を脱退した後にモラン博士が2009年に作った協会の基準で、UMF同様、ノン・ペロキサイド・アクティビティーを計測して指標化します。MGS5+~20+と表示します。UMF5+~20+≠MGS5+~20+となります。
ただし、MGSの場合は、医療の国際規格であるISO13485のモラン博士認定マヌカハニーという医療レベルでの効果を保証するものになるという点でUMFよりも一段高い品質レベルを有していると言えます。現在、このISO13485基準のマヌカハニーはたった2社でした製造されていないそうです。
なお、信頼に足るマヌカハニーの証明としては、ニュージーランド政府が発行している成分分析書が添付されているかどうかでこれらの認証の真偽が判別できます。
UMFとMGO(MG)値の相関関係について
なお、UMFとMGOは、それぞれ相関関係があります。最新のUMFHA(UMFはちみつ協会)の資料によると、以下のように各品質基準は互換性があると言われています。※下記の数値は最新の情報に基づいています。古い資料の場合、MGO値が低く記載されていることがありますのでご注意ください。
- UMF5 = MGO83
- UMF6 = MGO113
- UMF7 = MGO146
- UMF8 = MGO182
- UMF9 = MGO222
- UMF10 = MGO263
- UMF11 = MGO308
- UMF12 = MGO356
- UMF13 = MGO406
- UMF14 = MGO459
- UMF15 = MGO514
- UMF16 = MGO572
- UMF17 = MGO633
- UMF18 = MGO696
- UMF19 = MGO761
- UMF20 = MGO829
50%も偽物だった!? マヌカハニーの偽造が2011年以降次々にイギリス・中国・シンガポールで問題になる!
このように2015年に品質基準についてニュージーランド政府が認可を厳しくしたのには実はきっかけがあります。それが、マヌカハニーの偽造問題です。
2011年に発表されたイギリスの第三者機関の抜きリサーチによると、マヌカハニーという名称で販売されている蜂蜜の実に50%もが数値偽造をしていたということが分かりました。
その後、2012年にもイギリス、中国、シンガポールでテストが実施されましたが、同様に品質偽造されたマヌカハニーが検挙されました。
こうした流れを受けて、2013年からはニュージーランド政府が品質基準と管理体制を強めることになり、それが2015年の政府認定基準の制定につながったということです。
【参考記事】NZ Government steps in over manuka honey labelling
まとめ:2018年12月現在のマヌカハニーを選ぶための品質基準は、UMF、MGO、MGS表記がついているものだけが信頼できる!
マヌカハニーは、各ブランドが独自に品質基準の単位を設定しているところもありますが、2018年12月現在、ニュージーランド政府が認めているマヌカハニーの品質基準の単位は、UMF、MGO、MGSのみになります。
それぞれ基準としている指標や値が違いますが、グレードが上がれば上がるほど医療的・健康的な効果が期待できるという指標になります。
まずは、これらの表示がついているブランドであるかどうか?という基準でマヌカハニーを選べば間違いないのではないでしょうか。
次回の記事では、オーガニック・自然派ママにおすすめの具体的なマヌカハニーブランドをご紹介していきます。
※マヌカハニーではない、スーパーで市販されている普通のはちみつの選び方についてはこちらの記事に書いています。
※妊娠中や授乳中のママが知っておきたいマヌカハニーの取り入れ方・注意点についてはこちらの記事に書いています。
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