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「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン 新潮社 の書評・ブックレビュー

「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン 新潮社 の書評・ブックレビュー

レイチェル・カーソンといえば農薬DDTの危険性を科学的エビデンスと鋭い観察眼を高い文章力とともに綴った環境保護運動の母とも呼ばれるアメリカの科学者・文筆家です。そのレイチェル・カーソンが母親を若くして亡くした親戚の子・ロジャーと一緒にアメリカ・メイン州の別荘のある自然の中で過ごした思い出を美しい文章で綴った名作。何度も版を重ねており、現在の版はメイン州の美しい写真付き。

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★レイチェル・カーソンのプロフィール:
アメリカ合衆国のペンシルベニア州に生まれ、1960年代に環境問題を告発した生物学者。アメリカ内務省魚類野生生物局の水産生物学者として自然科学を研究した。農薬で利用されている化学物質の危険性を取り上げた著書『沈黙の春』(Silent Spring)は、アメリカにおいて半年間で50万部も売り上げ、後のアースディや1972年の国連人間環境会議のきっかけとなり、人類史上において、環境問題そのものに人々の目を向けさせ、環境保護運動の始まりとなった。没後1980年に、当時のアメリカ合衆国大統領であったジミー・カーターから大統領自由勲章の授与を受けた。
出典:Wikipedia

レイチェル・カーソンの「センス・オブ・ワンダー」は文筆力を高く評価されていたレイチェル・カーソンの美しい文章で綴られた名作エッセイ 「沈黙の春」と並ぶ代表作

レイチェル・カーソンといえば「沈黙の春(Silent Spring)」が有名です。農薬DDTの恐ろしさを緻密な観察と美しい筆力で訴え、時の大統領であったケネディ大統領の心をも動かし、DDTが禁止される動きを作りました。まだまだ男女平等な社会ではなかったアメリカで、学者として活動しながら1本のペンの力で環境破壊を食い止めたレイチェル・カーソンは、環境保護活動の母とも呼ばれています。

他にも海洋学者としての知見を元に愛する海について綴った「われらをめぐる海」など大人向けの少し難しい本が有名です。こちらの本、読んだことがあるのですがとっても美しく魅惑的な海の世界を文章の力で描写しており、レイチェル・カーソンの文章力に驚嘆させられます。

とはいえ、「沈黙の春」以外でレイチェル・カーソンが人類に遺してくれたもう一つの偉大な著作といえば、やはり今回ご紹介する「センス・オブ・ワンダー」だと思います。こちらは、やや難しいレイチェルの著作の中でもとても読みやすい分量と内容です。

レイチェル・カーソンは私生活では結婚しなかったのですが、早逝した姪の子どもロジャーという男の子を養子にし、その子を折に触れて自分のメイン州の別荘へ招いて共に時を過ごしていました。そのロジャーと一緒にした自然体験をエッセイ風につづったのがこの「センス・オブ・ワンダー」なのです。

「センス・オブ・ワンダー」とは?

「センス・オブ・ワンダー」とは、あえて訳すなら不思議なこと目を見張る感覚、となりますが、レイチェルの言葉を引用すると、

子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。残念なことに、わたしたちの多くは大人になるまえに澄みきった洞察力や、美しいもの、畏敬すべきものへの直感力をにぶらせ、あるときはまったく失ってしまいます。もしもわたしが、すべての子どもの成長を見守る善良な妖精に話しかける力をもっているとしたら、世界中の子どもに、生涯消えることのない<センス・オブ・ワンダー=神秘さや不思議さに目をみはる感性>を授けてほしいとたのむでしょう。

美しいものを美しいと感じる感覚、新しいものや未知なものにふれたときの感激、思いやり、憐れみ、賛嘆や愛情などのさまざまな形の感情がひとたびよびさまされると、次はその対象となるものについてもっとよく知りたいと思うようになります。
出典:「センス・オブ・ワンダー」レイチェル・カーソン 上遠恵子

と書かれています。

自然の中で出会った出来事や生き物の不思議や神秘をそういうものだとして受け止め、驚嘆し喜び、そして自然や身の回りの物事に関心をもつきっかけになる感性がセンス・オブ・ワンダーなのだそうです。

また、「センス・オブ・ワンダー」は、シュタイナー教育などで重視する魂の力を養う畏敬の念の萌芽と言い換えてもいいかもしれません。「センス・オブ・ワンダー」があると、自然や身の回りのものに対して畏敬の念を抱くことができる子になれるように思います。

「センス・オブ・ワンダー」は、型にはまらない子どもに対する自然教育や幼児教育のヒントが透けて見える良書!

とはいえ、「センス・オブ・ワンダー」は、指南書のように「こうしたらセンス・オブ・ワンダーが育ちますよ」というような話ではありません。あくまで、子どもに自然への畏敬の念を抱かせるような体験をさせることの意味や意義、どんなふうに子どもに自然を体験させたらいいのか、といったことが、「センス・オブ・ワンダー」を読むと透けて見える、ということなのです。

「センス・オブ・ワンダー」は具体的なノウハウや実践書ではないのですが、レイチェルとロジャーがどんなふうに自然を体験してきたかがエッセイとして綴られていますが、これが結構面白いのです。

たとえば、ロジャーと一緒に夜の海へ遊びに行くシーンや、ちょっと夜更かしして大きな月がのぼってくるところを一緒に眺めた話、雨の日でも森の中で出かけていく話など、型にとらわれない自然体験をロジャーと一緒に楽しんできたことが分かります。

日本でも森のようちえんが広まっていますが、園舎もなく、雨の日でも森へ出かけていって過ごすというのは、本来の幼児教育のあり方に近いのかもしれません。

レイチェル・カーソンの映画・「センス・オブ・ワンダー 感性の森」が2012年に公開

なお、レイチェル・カーソンの映画「センス・オブ・ワンダー 感性の森」という映画が2012年にアップリンクから公開されています。こちらは予告編。

朗読と音楽のYoutubeもありました。

余談・「センス・オブ・ワンダー」の原文は英語の勉強にも最適な美文です

ちなみに、さすがに子どもでは読めないと思いますが、高校生~大学生くらいになったら「センス・オブ・ワンダー」を英文の原文で読んでも素敵なのではないかと思うくらいレイチェル・カーソンの文章は美文なのです。また、翻訳者の上遠さんの日本語もそれに負けず劣らず格調高く美しいので、バイリンガル育児をされている方は、英語と日本語両方を購入してもいいかもと思います。

Sense of Wonder

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今回の本は大人向けの環境教育・エコ教育の本でした。子どもと一緒に読める環境教育・エコ教育の絵本なら、こちらの「わたしたちのたねまき」(梨木香歩訳)がおすすめです。

 

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この記事を書いた著者

高橋ともえ
ceresmomを主宰する管理人・高橋ともえです。学生時代からドイツ語圏と深いかかわりを持ち、オーガニックコスメと出会い、オーガニックコスメのサイトなどの情報発信を行う。2014年「四気質の治療学」の翻訳出版。2015年第一子を妊娠出産。JOCA(日本オーガニックコスメ協会)認定オーガニックコスメアドバイザー。私生活では、江戸時代から続く近江商人の末裔の婚家の築100年の滋賀県の古民家を拠点に、お灸やハーブ、薬草やジビエなど田舎暮らしを楽しむ生活をしている。詳細なプロフィールはこちらから。

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