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自然農実践農家が教える!自然農はじめてさんへのアドバイスその1[中南米、パラグアイ]

自然農実践農家が教える!自然農はじめてさんへのアドバイスその1[中南米、パラグアイ]

こんにちは。パラグアイで夫婦で自然農とゲストハウスを運営しているmarialightです。自分の食べるものはなるべく自分の手で作る方が目にみえるし安心ですよね。これから少しずつ畑をやってみたい!自分の食べるものは自分たちで作りたい!本格的に畑で挑戦、または庭の片隅やベランダで家庭菜園をしたい、、、という方のために今回は具体的な自然農のやり方のポイントをご紹介します。ポイントを押さえれば、農薬がなくても虫に食われやすい青梗菜やキャベツなども結構綺麗にできるんですよ!

この記事の目次

自然農はじめるなら最初にチェック! その畑には色々な草が生えていますか?

まず、畑を始める場合の一番最初の条件は草が生えていることです。ただし、草といっても、一種類だけが生えているよりも何十種類の色々な草が生えている土地の方が、平均してバランスの良い土であるということが言えます。
こちらの写真を見てください。サニーレタスの周りにさまざまな種類の草が混雑しています。これが私の考える理想的な土です。

不耕起農法には5年がかかる! じっくり時間がある人だけにおすすめします

そして、ここからは色々なやり方があるのですが、まず不耕起農法(畑を一切耕さないやり方)では草を根元から1cm残して刈り取り、その上に刈り取った草を積んでいく作業を何度も繰り返します。そうすると、草の層が出来ていきやがて土に変わっていきます。これが堆肥なのですね。その中に種を植えて育てていくというのが不耕起農法のやり方ですが、その場合は土地が出来上がるまでに5年かかってしまいます。

自分の土地を持っていて、ゆっくりと土地を育てていける、根気良くやっていける人はいいでしょうが、私のように周りに家が何件かあり借りている土地でこういう無肥料、無農薬の自然農をやっていかなければならないという条件がある方は、畑を草だらけにしていると非難されたりして厳しいのではないでしょうか。そういう人は次に説明する10cm農法をお勧めします。

自然農やりたいけど、時間がない・借りている土地でやっているなど制約がある場合は10cm農法がおすすめ!

10cmというのは鍬ひとつ分の長さですね。まずは土を耕します。鍬もいいけれど、私は鍬をやめてつるはし一本だけを使うようになってきました。つるはしの中でも先が広がっているつるはしだと多少の木の根があっても取ることが出来てとても便利です。

耕し方にポイントがあります。大きく深く耕していくのではなく、1cm刻みくらいで前に進んでいきます。とにかく細かく鍬やつるはしを入れていくと雑草が切れて土の中に入っていってくれます。雑草が切れるので後から芽が出てくることが少ないです。パラグアイでは土が石みたいに固いところがありそういうところでは難しいでしょうが、日本だと比較的土がやわらかいところが多いと思いますので、出来ると思います。

また、長い草がある場合は最初に根元を切っておき日にさらして乾かすのがポイントです。よく乾かしてから土に入れないと、発酵してガスが発生する場合があります。残っている根は同じように鍬かつるはしで1cm刻みに入れていくと根が切れながら自然と土の中に入っていきます。そうすると一発で畑が仕上がっていき、あとは表面を平らにならせば出来上がりです。

そこに種を蒔いていきます。大人よりもなぜかは分かりませんが子供と一緒に蒔いた時の方がよく芽が出て育ってくれることが多いです。この根には根粒菌がついておりマイナスの電子がたくさんあります。これを土の中へいれていくと非常に効果的です。逆にプラスの電子が土の中に多くなってくるといわゆる連作障害といわれ作物の生育が悪くなります。

これを直すためにはゼオライトというマイナスの鉱物を入れると土壌改良になります。早く畑を進めたくてお金に余裕のある方ならば最初にゼオライトを購入して土の表面にばら撒いて、雑草と一緒に鋤いてあげると非常にいい土に仕上がっていきます。

私のように畑にお金をなるべくかけない、草刈機も耕運機も何も使わず自然農を自分の出来る範囲、自分の手で畑をやっていく場合は、先ほど書いたように雑草と一緒に細かく耕していきますが、むやみやたらに耕す範囲を広げるのではなく、自分が植えようとする作物の範囲だけ耕していきます。

まだ耕していないところの雑草は表面だけ刈っておいてその草を一箇所に積んで堆肥を作っておきましょう。その際雨があまり降っていなかったら水をかけてあげると自然と空気中にある乳酸菌が入り込んで堆肥になっていきます。2ヶ月ほど経ったら家庭から出る生ゴミを入れてみて下さい。自然に分解されコンポストになっているはずです。

土は深く耕す必要はない。深さ10cmでOKの10cm農法はスペースや畑がない人にもおすすめです

現在の農業理論は土を深く耕す方がいいといわれています。しかし私が実践しているのは10cm農法でこれは深さが10cmという意味です。面白い栽培方法です。

畑がない、スペースがあまりないという人はベランダなどで、例えばトマト栽培をするとしましょう。プランターを購入しなくても底に穴を数箇所空けたゴミ袋や肥料袋に土をいれてひとつのトマトの苗を植えると簡単にできます。このときの土の深さは10cm程度のものなので、畑も同じく10cmを耕せば作物はできます。

もうひとつ10cmの理由はこの10cmの間に微生物が多く含まれているということです。それよりも深くなると実は微生物はあまり存在していません。

しかしプロの農家が言うには10cm農法でやっていくと上根(根が上にあがり土の表面に伸びること)になってしまい、作物にとってよくないと言います。上根になると水をあげるとさらに根が表面にはって太陽にさらされてよくないということなのですが、それとは意味が違います。縦にまっすぐ10cm伸びた直根(栄養を吸い取れない根)のあと、横根(栄養を吸い取れる根)が沢山伸びてくれて、微生物と共存し微生物の排泄物=作物の栄養源を沢山吸い取ることが出来ます。

この後がポイントで乾燥させた雑草や落ち葉などの有機物を土の中にどんどん入れていってください。生の雑草や落ち葉を土の中に入れてしまうと、ガスが発生して作物の根がやられてしまうことがありますので必ず乾燥させてください。有機物を入れると土がふかふかになってきて空気がたくさん入り微生物が生きやすくなります。その後1週間から10日くらい土を落ち着かせるために畑を置いておくと肥料が効きやすくなり、その頃に種まきや苗を植えましょう。

私達の10cm農法では1年が準備期間、2年目から少しずつ作物が出来てきます

不耕起農法だと雑草が土に変わり作物がちゃんとできるまでに5年かかりますが、私の農法だと1年かかり2年目からはある程度作物が出来てきます。一番無難なのはこのようにまず耕して土を作り、土が育って作物が出来るようになってから不耕起栽培へ徐々に転換していくやり方のほうが無難だと考えています。また、1年目でも使っていない畑ならば結構作物は出来ます。

テレビなどで窒素、燐酸、カリとよく言われていますがこれは無難に、とにかく言っておけばいいということでやっているだけなので参考になりません。

忘れてはいけない大地への感謝! これがあるのとないのとでは収穫量が変わってきます

畑を始める際に大切な作業があります。それは土に感謝することです。「私の名前は○○です。これから私がここを耕したいと思います。宜しくお願いします。」と畑の神様にきちんとあいさつすると、世界中でその人にしか出来ない作物の味が出来上がってきます。

馬鹿げていると思うかもしれませんが、長年農業をやってきてつくづく感じていますし、他の長年農家をやっている人からもよく耳にします。商売として昔大規模に農業をしていたとき、物がよくできない時期があり、その時期は決まってそのことを言い忘れているときでした。

例えば、「大根を植えるので宜しくお願いします。」と言うと本当によく大根ができます。90過ぎのおばあちゃんから農業を随分と習ったのですが、そのおばあちゃん方もよく「感謝の気持ちがないと野菜はできないよ。」とおっしゃっていました。

植物にあげる水は川の水がベスト、出来ない場合は井戸を掘る! どうしてもだめなら水道水から「情報」を抜きましょう

作物にとって水はかかせませんが、水道水ではやはりなかなか上手くできません。なぜならば、カルキなどが入っているからではなく水道水自体に色々と情報が入りすぎているためです。本来は川のせせらぎの水がいいのですがそうはいかない場合、パラグアイでは井戸を掘ります。

日本で水道水だけしかない場合は、仕方がないのでホースで水の情報を抜く方法があるのですが、それはネットで検索すると水の情報が抜ける方法や機械が手に入りますので、そちらを参考にされてください。効く効かないなど色々議論があると思いますので、自己判断で宜しくお願いします。ち

なみに我が家もいい水にするために独自に考えてやっています。そして、水をかけるときのポイントはホースの先にじょうろをつけた方が良いです。これは農業用の専門店でホースに取り付けるタイプの水がものすごく細かい霧状になってでてくるじょうろが売っています。霧状の水を作物にかけると土へじっくり浸みていき、植物の葉の裏からも吸い取ることができます。それぞれの作物によって水のやり方が全然違いますので後ほどそれぞれの作物編にて詳しく書かせていただきますね。

畑では南向きに作物を植えておこう! 植物がお日様に向かう方向を考えて畑の向きをデザインしましょう

基本的に畑は南向きに作物を植えていくということを考えてください。かぼちゃでも何でも作物を植えるとお日様の方向に向かって伸びていきます。そのため、お日様がどちらからでてどちらへ沈んでいくのかということを考えて畑の向きを考えましょう。作物が一列に並んだ時にみんなお日様に向かう状態がいい状態です。

虫は角に集まる! その角に食べなくてもいいネギやミントを植えると自然の虫よけになる

虫についてですが、虫は角に集まる性質があります。例えばほうれん草を長広く植えたとすると必ず四つ角に虫が出てきます。その角に食べれなくてもいいネギを植えておくと虫除けになるので効果的です。そのほか、ミントなどの匂いのきついハーブ類もいいと思います。

作物を植えたら防虫ネットで囲わないといけないと思うでしょうが、作物が少量ならば楽ですが、多く作る場合には大変です。そんなときにはこの角に植えてみると効果がでてくることが多いです。

面白い話なのですが、昔メロンにアブラムシがたくさんついて商品にならなかったことがありました。そこで、他のメロン農家は一生懸命農薬をかけていたのですが、私はアブラムシを観察すると大きいアブラムシのところに小さいアブラムシは嫌がってやって来ないことが分かりました。

調べるととうもろこしにつくアブラムシが一番大きいので、ハウスの周りに簡単にできる肥料用のとうもろこしを植えました。しばらくすると、とうもろこしだけがアブラムシだらけで、メロンには全くアブラムシがつきませんでした。

農業は虫の勉強をすれば立派な虫対策になります。しかし、今の農業はこういうことを言うと「そんなはずない」「虫は所詮虫だから農薬をかけて殺せばいい」と言われ、何の農薬を使うかばかり考えており農業が一向に進歩していきません。ですので、実は自然農に関する情報はあまりなく、自分で考えていかなければなりません。

モーツァルトを聞かせると良い作物が育つのは本当! 実は植物には意識がある

たとえば、私はかれこれ数十年前によくモーツアルトの曲を畑でかけていました。今では野菜や子供などにモーツアルトなどの音楽をかけるといいと結構有名になりましたが、当時野菜に聴かせようと思ってやったのではなく、水に聴かせよう、そして土に自分自身に聞かせよう、その影響を受けて野菜も育つと思ってかけていました。なぜなら、自分が自然と一体になっていかないと出来ないだろうと思い聴かせていました。それが野菜が音楽を聴くという話になってしまいました。これは証明されていませんので分かりませんが、私は植物は音楽を聴かないと思うのですが、意識がないかといったらあると答えます。

例えば、メロンを作っていて一斉に実をつけたいと思った時に、根元の近くの葉を蹴っ飛ばして歩きます。そうすると、植物が危険を察知して早く子孫を残そうと思い、実が早くそれもいい実が出来るので普通の農家でも行われています。

また、火を近づけると植物は怖がって早めに花を咲かし実をつけ伸びようとします。植物は火を怖がることが実験で証明されています。

こんなふうに、実際に農業を実践し始めると、科学的に証明されていないようなことやグレーなことが色々体験できます。

※この記事の続きの記事はこちらです。

自然農実践農家が教える!自然農はじめてさんへのアドバイスその2[中南米、パラグアイ]

 

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この記事を書いた著者

marialight
大学で獣医学科を専攻するも西洋医療に触れて幻滅し中退、その後絵を描きながらアロマオイル、ホメオパシー、薬草、マッサージ、ヨガ、ダンス、エネルギーワークなどの勉強をする。旦那と29歳差の結婚をし、自然や動物たちとともに共存した自給自足の生活がしたくてパラグアイへ移住。26歳で長女を、30歳で長男をパラグアイで出産する。旦那が化学肥料も農薬も使わない自然栽培の野菜を独自にあみだしたノウハウで育てて、私と娘が販売しています。旅行者にドミトリー式のお宿と我が家の無農薬栽培のお野菜を使ったお食事を提供。鶉、放し飼いの鶏、犬、猫たちと共に自然の中、すくすくと子供たちが育っています。ゲストハウスのHPはこちらです。

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