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自然農実践農家が教える!自然農はじめてさんへのアドバイスその2[中南米、パラグアイ]

自然農実践農家が教える!自然農はじめてさんへのアドバイスその2[中南米、パラグアイ]

こんにちは。パラグアイで夫婦で自然農とゲストハウスを運営しているmarialightです。自分の食べるものはなるべく自分の手で作る方が目にみえるし安心ですよね。これから少しずつ畑をやってみたい!自分の食べるものは自分たちで作りたい!本格的に畑で挑戦、または庭の片隅やベランダで家庭菜園をしたい、、、という方のために、今回は、自然栽培で植物や作物を育てるときに使っているアイテムやコツ、特に虫や病気が発生した時の対処策について説明していきます。

この記事の目次

自然栽培をするならお茶を使って作物の病害対策をしよう! びわの葉茶はレタスや白菜やキャベツの軟腐病におすすめ

びわの葉で軟腐病対策

自然栽培をするなら、植物の病気を抑える為に用意していただきたいのはもちろん農薬ではなく、お茶です。

例えばびわの葉のお茶は軟腐病(なんぷびょう)という病気を防ぐことが出来ます。軟腐病はカビによる病気でレタス、白菜、キャベツなどの結球する株の根元付近が腐敗して、どろどろに溶けて悪臭を放つ病気です。最初は株の根元付近に水が染み出たような跡が出来て病状が進行すると葉や茎が萎れていきます。びわの葉のお茶をかけて軟腐病を防ぐ作業は一般の農家でも農薬よりも効くと言われ、行われています。

上の写真は、びわの葉。これをよく洗って乾燥させて煮出します。作物用だけでなく普段飲むお茶としてもカフェインなしの美味しいお茶です。

レタスや白菜を新鮮なまま保存するなら、酵素スプレーがおすすめ!

ここでちょっと余談ですが、お店から買ってきたレタスやキャベツは芯の部分が包丁で切られているので、放っておくと酸化して黒くなってきます。

レタスにはケルセチンなどのポリフェノール類が比較的多く含まれており、手でちぎったりステンレスやセラミックの包丁で切れば問題ありませんが、レタスのようにポリフェノールが多く含まれる野菜を鋼の刃の包丁で切ると、ポリフェノールと鉄が反応して時間の経過とともに切り口の部分が黒くなってしまいます。

さらに、切ることによって植物の細胞の中から出てくる酸化酵素の一つであるポリフェノールオキシダーゼが、刃物に接触すると酸化して黒褐色に変化していきます。

酸化を防ぎ見た目を美しく、ドレッシングなどの調味料とからみやすくするために、レタスは手でちぎり冷たい塩水に漬けて水を良く切ってから盛り付け、食べる直前にドレッシングをかけるようにしましょう。

残ったレタスやキャベツの保存で一番効果的なのは市販で売られている酵素を水で薄めてスプレーボトルに入れ、キャベツやレタスに霧吹きしてあげると二週間ほど長持ちします。

酵素を手作り数ならよもぎ酵素がおすすめ! 簡単に作れて菌や微生物が豊富で色々な用途に使えます

よもぎ酵素で青菜を保存

どんな酵素でもいいかといったらそうでもないですが、ほとんどの酵素に効き目があると思います。また、自分で酵素を手作りしたい場合はヨモギを使うのが一番作りやすいです。発酵して膨張しますので瓶か炭酸のペットボトルにヨモギをつめるだけつめ、同量の砂糖を入れ口は蟻などの侵入を防ぐ為にガーゼなどで覆い輪ゴムでとめて、あとは放っておきます。

砂糖が溶けて茶色からだんだん色が濃くなっていき、甘いりんごのような匂いがしてきたら出来上がりです。菌はお砂糖と塩、油を食べて増えていくのですね。

これを増やしたい場合は、瓶に少量出来上がった酵素の液体をいれて砂糖を適当に入れて数ヶ月放っておくと菌は増えていきます。これを培養といいます。難しいことではなくとても簡単なことですね。この方法で友達に菌を分けてあげてもいいですね。

上の写真は我が家のヨモギ酵素のボトル。ヨモギ酵素の培養は簡単です。お砂糖を足すだけです。沈殿しているのがお砂糖です。

ヨモギには菌と酵素の種類が豊富と言われています。作物には3000倍で水で薄めて葉の裏へスプレーすると強く育つのではないかなと思います。作物へスプレーすることに関してははっきりと確かめていませんのでちゃんとした効果は分かりませんが、恐らく効果はあると思いますので皆さんも実験してみてください。

この出来上がった酵素は作物へのスプレーだけではなく色々な使い方に応用できるのでお勧めです。放射性物質も食べてくれると言われています。

人間が色々な病気にかかるのは、清潔にしすぎて皮膚に菌が居ないとからだ思います。小さな瓶にいれてガーゼで口を覆って子供部屋に置いておくと、この菌たちは300mくらいは飛んでくれます。これが呼吸などを通して人間の体に入り、鼻炎や花粉症などのアレルギーなどにも効き目があると思います。

菌は人間にとっては必要不可欠で殺菌なんてもってのほか、なるべく人間の体に菌を付着させる努力をしたほうがどんどん健康体になっていくと思います。

よもぎ酵素でキッチンのベタべタな油汚れが落ちる!

また、子供部屋だけでなく我が家ではこの酵素を入れた小さな瓶をキッチンに置いています。キッチンのべたべたな油汚れが、これを置いておくだけで数ヶ月もすると「そういえばあのべたべたの油がない」ということに気が付くでしょう。菌が油を食べてくれるのですね。これは我が家でも友人宅でも実証済みです。

無農薬や自然農をやる人は、シャンプーなどの界面活性剤の入っているソープや合成石鹸で体や頭を洗うことをお勧めしません。良い菌も悪い菌も両方洗い流してしまうからあまり洗い過ぎないことをお勧めします。かわりに天然の石鹸や昔ながらの米ぬかをガーゼに包んで水に浸しながら優しく洗うと垢などは取れていくけれど菌を完全に洗い流すこともなく、お肌もつるつる!

洋服の洗濯も同じです。今の人は洋服を毎日洗剤をたくさん使ってごしごし洗いすぎです。人間の服を界面活性剤の入った洗剤をたくさん使って毎日ごしごし洗った服を着ると、せっかく服に住み始めた良い菌が一瞬で居なくなってしまいます。洋服の泥汚れなどはどうしても洗剤でごしごししたくなりますが、それ以外であまり汚れていなければ水(それも井戸水や川のような良い水)だけ、もしくは重曹とクエン酸とお好みのアロマオイルを数滴いれて洗った服ならば、良い菌とも仲良く暮らしていけます。

最近の我が家では泥汚れなどがなければ良質な水だけを使った究極の洗濯をしています。水だけの洗濯後、嫌な臭いは残っていません。ただ、ポイントは良質な水を使うことです。人間が一番悪い菌をもっていると、農家の間ではよく言われています。この悪い菌を持ったまま畑へ入ることになり、作物を触ることになります。それでは、殺菌すればいいのかといったらそうではなくて、良い菌を増やせば自然と悪い菌は減っていきます。自分や家族の健康の為、また畑のためにも体につく菌を大事にしましょう。 

こちらが手作りのココナッツ石けん。パラグアイでも日本でも、石けんと書かれていても実際には合成成分が入っているものも多いので注意が必要です。

ココナッツ石けん

スペシャルな野草とコーヒーのお茶スプレーがあればアブラムシやハダニも少なくなる!

さて、上記にてレタスの軟腐病にはびわの葉のお茶スプレーが効果的と書きました。お茶は平均して病気を鎮めるという役割があります。他にはどくだみでもよもぎでもなんでもよくて、あげていくときりがないくらいのお茶があります。

そこで私は、良いと言われている植物を全部大きいお鍋にお水と一緒に入れて煮出して何十種類も入ったお茶を作りました。これにコーヒーの出がらしも一緒に煮出してスプレーボトルにいれ、アブラムシとハダニが多く付いた時にスプレーするとだんだんと居なくなっていきます。

スプレーし始めて1年目はアブラムシとハダニが多く目につくでしょうが、2年目になると全然居なくなっていくことでしょう。このコーヒーは人間にとって大量でなければ飲むと良いと言われていますが、植物にとっても良いようです。

コーヒーは作物の糖度を上げる! メロン農家さんがコーヒーと鶏糞で3~4度糖度UP!

コーヒーは作物の糖度を上げる役割があります。例えば、あるメロンの業者が鶏糞にコーヒーを混ぜてメロンに施しました。なんと糖度が3から4度上がったそうです。これをとても甘いメロンとして売り出しているそうです。これはコーヒーと鶏糞を同時に施すことによって何らかの作用が起こり作物が甘くなりますが、コーヒーだけを施しても糖度はかなり上がるようです。

海水のミネラルも栽培に役立つ! ミネラルは塩以外にお茶やコーヒー、にんにくにも含まれる にんにく酒がおすすめ!

にんにく酒

それと、日本には海があるのでぜひ海水を作物へかけてみて欲しいと思います。「え?海水?塩害になるんじゃ、、、」などと思われるかもしれません。しかし、海水はミネラル(微量要素)や塩分が豊富と言われていますが、実は鉄分が多く含まれ、植物にとってはこの鉄分が良い栄養源になります。人と同じで作物にとっても骨格を形成するのに重要な要素です。

いわゆる合成肥料である窒素リン酸カリ肥料だけを植物に施すと、植物はミネラルが不足していき根から茎へ吸い上げる管が根詰まりをおこしてしまいます。そこでミネラルが必要になってくるわけです。植物はこのミネラルが一番大切だと理解していただきたいです。

それでは何をやったらいいのでしょうか。この海水のほかには先ほど書いたお茶、コーヒー、にんにくなどがあります。実はあまり知られていませんがこのにんにくもミネラルが豊富だったのですね。にんにくを食べるとガンやさまざまな疾病の予防になるという研究発表もありますし、健康食品としても有名です。

にんにくを作物に施す場合はにんにく酒をつくって水で薄めてから葉の裏(葉の表面は吸収しません)や茎など植物全体へスプレーします。上記の写真がにんにく酒です。にんにく酒は年数が経てば経つほど濃厚で薬効が高くなっていきます。作物への散布だけではなく、数滴コップにいれて水を一杯入れ薄めて人間が飲むのも体に良いです。

今まで無農薬栽培の農家さんはこれを虫除けとして使っていました。これからはミネラル補給、作物の病気予防としても使えますね。

パラグアイにんにく

上の写真は、パラグアイのにんにく。沖縄のにんにくに似ていて小ぶりです。ここパラグアイでもにんにくは料理に欠かせないものになっています。

海水が手に入りづらければ天然塩を使おう! 海水をかぶった土地から美味しくて甘い塩トマトが出来た話

トマトに塩スプレーで糖度UP

作物にとって海水がなければ何と言っても「塩」がとても良いと感じています。昔は塩を与えると作物が枯れてダメだというのが常識でした。

ところが、そんな常識をくつがえす事例があります。ある時、「九州の海岸沿いにある畑に海水がかぶって土がダメになった、これで野菜が出来ない!」と騒いでいました。しかし、たくさん塩がかかっているにもかかわらず、トマトが伸びて実が付きだしきました。「このトマトは強いんだなぁ。」と言いながら食べてみたらとても甘くて美味しかったので売り出し、塩トマトという名前が世間に広がるようになりました。実はトマトに塩をかけるとよくできるということが分かり、今では研究されています。

ネギ科の作物にも塩が効果的です。また、塩をかけることによってミネラルを補給し作物の葉につやを出し日光を取り込みやすくなります。作物の葉にもゴミがついてそのままにしておきますと管が詰まりやすくなりますので塩水で洗浄するととても良いです。

ちなみに我が家ではお風呂は重曹と塩を入れて、髪と体を洗うのも重曹と塩で洗っています。歌手の人はのどにとてもいいと言って塩をなめています。放射性物質の排出、その他の毒素を取り除き細胞が新しく生まれ変わり、人間にとっても作物にとっても作用は同じでとても良いですのでお勧めします。作物に与える濃度はトマトは20倍に水で薄め、他の作物は100倍から200倍に水で薄めて、土に与えるのではなくスプレーボトルに入れて葉にスプレーしてください。

この記事でスプレーボトルが出てきますが、スプレー容器は常に細かい霧状になるものをお勧めしています。スプレーが細かければ細かいほどとても良いです。特にトマトはミネラルが不足すると色々な病気が発生しやすくなりますので、病気が発生する前に塩水をスプレーしておくと効果的です。

一般的にはトマトは病気になってから追肥にカルシウムなど色々施しますが、病気になってからでは遅くて効き目はありません。作物の中で葉が大きくて薄いものであるきゅうりなどは傷んで枯れる場合がありますので、塩は200倍に薄める方がいいです。

実験してみたのですがよく一般的に売られている食塩を200倍に水で薄めてきゅうりの葉の裏にスプレーしてみたら、2から3時間で萎れてきてしまいました。怖くなってきたのですが次に海水を持ってきてきゅうりへ200倍に水で薄めてかけてみたら、ピンピンして良く伸びてきました。

分かったことは、塩を使う場合は一般的に良く売られている塩化ナトリウムではなく、本物の塩、例えば海の天然塩や岩塩などを使わないと作物がダメになってしまうということで。人間にも同じことが言えますので、お料理には天然の塩を使うことをお勧めします。微量要素については農業用の本を読むと難しいことが書かれているのですね。でも、あまり気にしないほうが良いです。

天然塩を農業に使う

我が家で使っている天然塩は塩湖からつくられる塩です。作物へかけるのも、お料理に使うのも、お風呂へもすべてこのお塩を使っています。パラグアイでも一般的に塩として売られているものはほとんど塩化ナトリウムで、お料理にいれても塩味があまりせず、パラグアイ現地の人は入れすぎてしまいます。

まとめ:農業は分かっているようで分かっていないことがたくさん! 常識や偏見を持たずに実験と観察を繰り返そう

学校で習ったことをそのまま農業でやろうとするとだいたい失敗してしまいます。私が考えるに特に農業や植物全般に関することを学校で教えるのはまだまだ分かっていない分野だと感じています。とにかく病気だといって研究していないとお金(補助金や助成金、ビジネスにしたい企業からのスポンサー金)がもらえないのですね。

実は作物は病気になるのではなく、だいたいは生理障害が多いのです。人間にも同じことが言えます。人間も病気ではなく生理障害がほとんどだということに気がつきました。どこの部分の障害なのかが分かれば、治ってしまいます。

人間も病気を治すのに医者の薬を飲んでも根本的な治療にはなりません。それでも、病院へすぐに行ってしまう方が多いですが、私たち夫婦は行きませんし、行っても治らないと考えています。

色々試してみた中でお茶類が病気に効果的というのは昔風と言われるでしょうが、これが病気を治すのではなく生理障害を治すと考えたほうがいいです。この生理障害に関する知識が確立してきたのはようやく20年ほど前からです。

農業はお天道様次第と昔の人はよく言いますが、どんなに人間が頭を使ってやっても自然にはかなわず自然まかせです。電気をつけたりハウスで囲ってみたりしていますが出来上がった作物に味気がありません。人間で言えば電子レンジであたためた食べ物が美味しいというのと同じことです。

なぜ電子レンジは熱を発生させるのかというと分子同士が高速でぶつかり合って熱が出ます。その分子というのは電子レンジに入れた食品のことですので、その分子が砕けて熱が発生したら見かけは食べ物でも中身は自然界に存在する食べ物ではなくなるということです。電子レンジが発売された当時のお母さん方は、電子レンジであたためた食べ物を食べて、「こんなまずいもの食えない」と感じた人が多くいたといいます。現代は舌が電子レンジで加熱した食べ物に慣れてしまっているため、そう思う人はあまりいないのではないでしょうか。

ハウスで栽培した作物も同じことが言えます。見た目は普通でも栄養価が低かったり中身は違います。例えば、舞茸は舞うほどに美味しいから舞茸と書きます。私は天然の舞茸を食べていてとてもとても美味しいという経験をしたことがあります。
しかし、スーパーで買って舞茸を食べたら美味しくない。現在の舞茸やきのこ類はほとんどハウス栽培だったのですね。自然に生えたしいたけも良く食べていて、しいたけのふくよかな味が大好きでしたが、市販のしいたけを食べたときは美味しくなくて、きのこ嫌いな人の気持ちが良く分かりました。自然に生えたきのこを食べたら嫌いにならないはずです。これも同じで、自然に出来た人参やピーマンなども美味しいですよ。

色々なことに言えますので見た目に騙されず中身はどうなのだろう、、、ということを考えてみたらいかがでしょうか。

自然栽培のにんじん

自然栽培の人参は人参特有の臭さと甘みがあっておいしいです。娘は畑にくるとおやつ代わりに勝手に抜いて洗ってその場でばりばり食べてしまいます。畑をやっていてよかったと思える瞬間です。

※この記事を書いたパラグアイで夫婦で自然栽培を実践されているmarialightさんの前回の記事はこちら。

自然農実践農家が教える!自然農はじめてさんへのアドバイスその1[中南米、パラグアイ]

 

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この記事を書いた著者

marialight
大学で獣医学科を専攻するも西洋医療に触れて幻滅し中退、その後絵を描きながらアロマオイル、ホメオパシー、薬草、マッサージ、ヨガ、ダンス、エネルギーワークなどの勉強をする。旦那と29歳差の結婚をし、自然や動物たちとともに共存した自給自足の生活がしたくてパラグアイへ移住。26歳で長女を、30歳で長男をパラグアイで出産する。旦那が化学肥料も農薬も使わない自然栽培の野菜を独自にあみだしたノウハウで育てて、私と娘が販売しています。旅行者にドミトリー式のお宿と我が家の無農薬栽培のお野菜を使ったお食事を提供。鶉、放し飼いの鶏、犬、猫たちと共に自然の中、すくすくと子供たちが育っています。ゲストハウスのHPはこちらです。

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