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SDGs、エシカル・・・オーガニックが新しくアップデートされている

SDGs、エシカル・・・オーガニックが新しくアップデートされている

昨年末、FRaUとCLASSY.という女性誌で、SDGsとエシカルがそれぞれ特集になっていました。特に自然派とかオーガニック好きなイメージのない普通の女性誌でも、ここ最近、SDGsとかエシカルなど、オーガニックとも相性の良いキーワードがどんどん注目されるようになってきていると思います。

このウェブマガジンを立ち上げた2017年当初はあまり意識していませんでしたが、「オーガニック」自体もどんどんアップデートされていると感じることが増えてきています。

オーガニック好き・自然派ママのためのウェブマガジンとしてスタートしたこのメディアですが、実は私自身の中でいくつかの違和感や疑問が湧いてきていて、「オーガニック」プロパーの世界に対して少し距離を置いていた時期がありました。

端的に言うと、「本物のオーガニック」「偽物のオーガニック」みたいな議論や、プレミアムオーガニック的な、無農薬かつワイルドクラフト(野生採取)で希少なオーガニック製品がよいとか、そういうオーガニックマニア?的な世界に違和感があったのです。

ある知人の有機農家さんが、「私たちの野菜はいわゆるオーガニックマニアの人には売りたくない。残留農薬がどうだとか、近隣の刊行農法の畑から飛散する農薬がどうだとか、そういうことをしつこく聞いてくるから。今の日本の現状では、どれだけ頑張って自分たちひとりがオーガニック農業をやっていても、どうしても周りとの関係性や兼ね合いがあるから。そういうことも含めて分かってくれて、オーガニック=病気にならないために取り入れるもの、ではなく、オーガニック=楽しくておいしい、という発想になってくれる消費者が増えてほしい」と言っていたことがきっかけです。

そもそも、オーガニックで一番大切なのは、有機農家さんとか生産者さんです。この方々が幸せな経済循環の中に入って初めて、オーガニックが健全に機能すると言えると思います。

しかし、例の農家さんの言葉を聞いて以来、オーガニックマニアな人たちは、むしろオーガニックな生産者さんにとっては「厄介なお客さん」みたいに扱われてしまっているのではないかと、思うようになりました。

農薬の心配もないようなところで何十年とオーガニックで育てられた野菜やハーブなどを使いたいと思うかもしれませんが、現状日本では、北海道とか一部をのぞいてそのような理想的な場所は望むべくもありません。

オーガニックが好きになるきっかけが自身の病気や不調だったという人は多いですが、これから先は、特に病気があるわけではないけれど、オーガニックを楽しむ。オーガニックを意識的に取り入れる、というような人たちが増えたほうが、結果としてオーガニックが新しい時代に即したものになっていくのではないか?と感じていました。

そんな矢先に、SDGsとかエシカルというキーワードが、テレビやメディアで取り上げられるようになってきました。2030年を目標として世界各国がこの大きな方針に沿って17の指針を満たしていくということが決まったのです。

このSDGsにおいては、オーガニックも重要な一分野を占めるのですが、それ以外のこともとても大切になってきます。たとえば、ジェンダーの平等性など。狭い意味でのオーガニックとは違う・オーガニックを超える動きが、SDGsとそのゴール設定の中に入っていました。

たとえば、昨年末発売されたSDGsをテーマにした女性誌のFRaUでは、狭い意味ではオーガニックではない企業も、SDGsという取り組みの中で環境保護的な活動を行うようになってきています。

北海道の森のコスメブランドフプの森から生まれたNALQというオーガニックコスメは、キナリノとかのショッピングモールでも人気です。

SDGsがらみの流れで面白いのが、旧来のオーガニックが時に科学技術の発展や最先端のテクノロジーを否定したり拒否する傾向にあるのに対して、積極的に新しい技術を取り入れていこうとしている点です。なんと、SDGsを支えるコインまで登場しています。

さらにCLASSY.では、、10年くらい前に一度日本でも一部で取り上げられるようになったエシカルという言葉(特にエシカルファッション)が登場。

私も愛用している下着ブランドのLiv:raさんや、私たち夫婦の結婚指輪を買ったHASUNAさんなど、マイナー・ニッチと思われていたエシカルファッションのブランドがフィーチャーされていました。

こういう流れを観察して、私は今こう感じています。

戦うオーガニック、攻撃的なオーガニックの時代が終わって、もう少し広い視点や視野をもって、緩やかにオーガニックが進展していく時代が来ているな、ということです。

もちろん、オーガニックの基準はすごく大事にしていきたいですし、雰囲気オーガニック・なんちゃってオーガニック的な製品には大きな疑問は残りますので、そういうものを目指しているわけではありません。

そうではなくて、オーガニック=無農薬有機栽培、という狭い定義を出て、SDGsやエシカルを意識した具体的な取り組みの中に位置づけていくということが大切になる時代だと思っています。

旧来のコアなオーガニックを追求したり、パセティックな論調のメディアや雑誌はたくさんありますが、この小さなウェブマガジンは、読者の方がマイベストオーガニックに出会える場を提供する、という本来のポリシーに戻って、誠実かつ冷静な発信をしていきたいと思います。

 

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この記事を書いた著者

高橋ともえ
ceresmomを主宰する管理人・高橋ともえです。学生時代からドイツ語圏と深いかかわりを持ち、オーガニックコスメと出会い、オーガニックコスメのサイトなどの情報発信を行う。2014年「四気質の治療学」の翻訳出版。2015年第一子を妊娠出産。JOCA(日本オーガニックコスメ協会)認定オーガニックコスメアドバイザー。私生活では、江戸時代から続く近江商人の末裔の婚家の築100年の滋賀県の古民家を拠点に、お灸やハーブ、薬草やジビエなど田舎暮らしを楽しむ生活をしている。詳細なプロフィールはこちらから。

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