![SDGs先進国フランスのエコ・リサイクル・フリマ事情[フランス、リール]](https://ceresmom.jp/wp-content/uploads/2018/10/furimafrance.jpg)
最近日本でもよく耳にするSDGs(持続可能な開発目標)は、オーガニック好き・自然派のママにとっても関心の高いテーマだと思います。フランスでは2018年7月の調査でSDGs達成度が世界5位となるなど持続可能性については一定の評価を得ています。実はフランスでは、日本以上にCtoCリユース・リサイクル・エコ・フリマの文化が浸透しています。この記事では、フランスのサステナブルライフを支えるCtoCのフリマ文化についてレポートしていきます。
この記事の目次
4月から10月はパリ以外でもフランス全土で活発に開かれるフリマ(蚤の市)シーズン
パリのクリニャンクールの蚤の市は有名ですが、実はフランスではあちらこちらで蚤の市=フリーマーケットが開かれています。フランス語では蚤の市(marche aux puces:マルシェ・オ・ピュス。意味はそのまま蚤の市)あるいは vide grenier(ヴィッド・グルニエ:屋根裏を空にする)といって、4月から10月ごろまでの週末にで開かれ、村や街を挙げての大きなものから、地区の小ぢんまりしたものまで、規模も様々です。
売られているものも、各家庭で要らなくなった食器、本、子どもの服やおもちゃを始め、家具や家電、なんでもアリ。なんと家の工事で余った電線や配管パイプまで売れてしまいます。
我が家も年に一度、地区のフリーマーケットに参加しています。住民優先で申し込みができるので(といっても有料ですが)、自宅前を借り切って、友達と一緒に店開き。朝6時に予約した場所にお店を出さないと、見回りに来た地区委員の人に予約を取り消されてしまうので、この日はがんばって早起き。自宅前なので、夫と交代でシャワーを浴びたり、子ども(ゆっくり寝ていてくれていいのに、やっぱり早起き)の世話をしたりできるのですが、わざわざ場所を予約して来る住民以外の人は、車の出入りができる6時前に荷物をに搬入しないといけないので、大変そうです。
朝早くから見に来るのは、だいたいプロの人で、不要な携帯、ゲーム機、電線や配管などを探しています。9時頃から子ども用品や家具・日用品を見に来る大人が、11時頃からは散歩がてらこどものおもちゃを探す家族連れがやってきます。
子ども服はだいたい一着1ユーロ(120円)が相場ですが、それでも値切ったり、勝手に自分の言い値で持っていこうとする困った人がいたり。去年あたりから、スマホのアプリで、中古品の売買サイト(日本のヤフオクやメルカリのようなもの)でいくらで売れるかを調べて買っていく人もいて、もやっとすることも多少あります。
だいたい、そういう困ったお客さんは、挨拶もしないで勝手に「これ3つで1ユーロね」(いやいや、1つ2ユーロって値札つけてるよね??と私の心の声…)なんていうパターンが多いので、うちの夫は、ちゃんと「ボン・ジュール」と挨拶しない人には売らない、と決めているそうです。私はそこまで強気には出ませんが、あまりにも図々しい値切りは断れるようになってきました。
今年の我が家は、ベビーカー2台、ベビーシート、ストライダーに肘掛け椅子と、けっこうな大物を売ったので、地下室が随分広くなりました。売り上げは大した額にはなりませんが、友人やご近所さんとワインやビールを飲みながら、ついでに物置(我が家は屋根裏ではなくて、地下室なのですが)が片付いて、ちょっとお小遣いが稼げればいいかな、という気楽さでやっています。
子どもたちも、不要な本やおもちゃを売れば、売上は自分のお小遣いになるので、おもちゃの見直しをするいい機会になります。売り上げで新しいおもちゃや本を近くで出店している人から買うのが楽しみなようです。
売るだけではなく、お天気の日曜日に近くでフリーマーケットがあれば、子どもたちとのぞきに行くことも多いです。プロがお店を出している場合も最近は多いのですが、開催される地区が閑静な住宅地だと、住民の出しているスタンドで掘り出し物が見つかる可能性大です。
我が家のフリマ戦利品の紹介
12歳の娘は主に服を、6歳の息子はおもちゃを1つだけ買うことにしています。先日の戦利品は、娘のフェイクレザーのブルゾン(3ユーロ)、ジーンズ(1ユーロ)、トレーナーとTシャツ(各1ユーロ)、大きな車のおもちゃ(1ユーロ)、染め付けの小皿(20セント)、ジュニアシート(3ユーロ。友達の車に息子を乗せてもらうときのため)でした。
欲しがっていたブルゾンが新品の1/10の値段で手に入った娘はホクホクでした。
庭で育てた花の苗を売っている人や、おばあちゃんの家から持ってきたようなトランク(というか海賊の宝箱?)を売っている人など、買わなくてもいろいろ見て歩くのは楽しいです。この日は日本のチンドン屋さんみたいな楽隊がいて、あちこちでラッパと太鼓がにぎやかでした。
ちなみに染め付けの小皿を売っていた老夫婦、日本が大好きで、日本に何度も旅行に行ったことがあるとのこと。そんな売り手と買い手のおしゃべりも楽しみだったりします。
1975年からある!フランスのCtoC中古売買(フリマ)インターネットサイト・アプリ
フランス人は基本的にものをあまり捨てません。フリマ以外にも、先程挙げた中古品売買サイトやリサイクルショップがたくさんあります。日本でもスマホのアプリが普及して利用者が増えてきていますが、フランスで一番古い中古売買の全国ネットparticulier a particulier(パティキュリエ・ア・パティキュリエ:個人から個人へ、という意味)は1975年に創設されたそうです。当時は週刊誌とミニテルというインターネットの前身のようなシステムで売買をしていたそうです。
中古品売買で目下一番の大手は、Boncoin(ボン・コワン)というサイトで、家具や洋服だけでなく、中古車や家・アパートまで売っています。我が家は車をここで売りましたし、友人は家を売りました。夫の母は海の近くにあるホリデーマンションをこのサイトで貸しに出すことがあります。
その他、歩道に家が面している場合は、家の窓に「ベッド売ります」という張り紙がしてあったり、車の窓に「2010年式走行距離XXキロ、2000ユーロ」なんていう張り紙をして走っている人もいます。
最近はママ・ビジネスでネット上で子ども服専門のリサイクルショップを開いている人も多いです。商品の質はボン・コワンより良さそうなので、機会があれば利用してみようかな、と思っています。
その他、売るほどじゃないけれど、捨てるのはもったいない、というものは、エマウス(EMAUS)という慈善団体に引き取ってもらえます。小物は持ち込みますが、大物はあちらがトラックで回収に来てくれるので、助かります。引き取ったもので家具など売れそうなものは、格安の値段で売り、年に2回、引き取った品物のなかでもいいものを集めた特別バザーがあります。友人はピアノを購入しました。
日本もリサイクル・リユースが広まっていますが、食器は新品じゃないと、など、まだまだ条件が多いと思います。逆にフランスの蚤の市で売っている使い込んだ食器が、アンティークショップでびっくりするような値段がついていたりするので、なんでだろう?と不思議に思いますが、使えるものが捨てられずに、必要とする人の手に渡るのはいいことだと思います。
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