
普通のスーパーで売られている市販のはちみつには砂糖の混ぜものがしてあったり、まがい物・ニセモノが多いということはご存知でしょうか? 一方、昨今のオーガニックブームで、スーパーでも「国産はちみつ」「マヌカハニー」など、体に良さそうなはちみつを見かけることも増えてきました。オーガニック好きママ・自然派ママであれば本物のはちみつを選びたいものですよね。そこで、この記事では、スーパーや百貨店などで市販されているはちみつから「本物」のはちみつを選ぶにあたって知っておきたい知識、はちみつの種類や表示についてお伝えしていきます。
この記事の目次
スーパーで売られている市販の「はちみつ」から本物を見分ける方法は?
スーパーで売られている市販の「はちみつ」。安いものははちみつと書いてありながら砂糖の混ぜものがされていたり、産地がよく分からないなど不安が残るものがとても多いです。かといって、「良さそう」に思えるはちみつであっても、実は色々問題が多いことも・・・。
インターネットで信頼できる養蜂家からはちみつを買うのがベストとはいえ、スーパーでも最近ではマヌカハニーや国産はちみつなどと銘打った「良さそう」なハチミツが出回っています。
そこで、スーパーやバラエティショップなどではちみつを購入するにあたってチェックすべきポイント、はちみつの種類や表示などについて解説していきます。
はちみつの「種類」をチェックしよう
まず、はちみつと書いてある製品を見かけたら「種類」をチェックしてみましょう。日本でいわゆる「はちみつ」と呼ばれる製品(「はちみつ類」)には、以下の5種類があります(参考:はちみつ類の表示に関する公正競争規約)。
- はちみつ
- 精製はちみつ
- 加糖はちみつ
- 巣はちみつ
- 巣はちみつ入りはちみつ
以下、それぞれのはちみつ意味を説明していきます。
はちみつとは?
普通に「はちみつ」とだけ書いてある製品は、みつばちが植物の花みつを採集し、巣房に貯え熟成した天然の甘味物質で、別途法律で定められる一定の組成基準に適合しているものになります。
精製はちみつとは?
高温で加熱処理し濃縮した後、活性炭で花粉、臭い、色を除去したものです。精製はちみつの反対は、ローハニー、生はちみつといわれる製品になります。精製後に水飴やオリゴ糖を加えた精製加糖はちみつもあります。
加糖はちみつとは?
加糖はちみつとは、水飴、オリゴ糖などの糖類を加えたもの。加糖40%以下のものを指します。つまり、はちみつの含有量が重量百分比で60パーセント以上のものを指します。
巣はちみつとは?
すはちみつとは、新しく作られて幼虫のいない巣房にみつばちによって貯えられたはちみつのことで、巣全体または巣の一部を封入したまま販売されるものです。巣蜜(巣みつ)、コムハニーなどの名称で呼ばれることもあります。プロポリス成分が一部含まれていることがあるので、健康面で注目されています。
※なお、プロポリス成分の人体への副作用はまだ研究途上ですので、妊娠中や授乳中は避けた方が無難です。
巣はちみつ入りはちみつ
巣はちみつ入りはちみつとは、はちみつに上記の巣はちみつを加えたものを指します。
法律で定められている5種類以外によく見かけるはちみつの表示
以上の5種類が法律で定められているはちみつの表示ですが、それら以外にもよく見かけるはちみつの表示があります。
- 純粋はちみつ
- 天然はちみつ
- 有機はちみつ(オーガニックはちみつ)
この2つの名称は、法律で定められている名称ではありませんが、一般的に以下のようなものを指しています。
純粋はちみつとは?
純粋はちみつの表示はよく見かけると思います。これらは法律によると、「純粋」または「Pure」の文言は、精製はちみつを使用したものまたは添加物を含むものに表示してはならないということになっています。
つまり、「純粋」の文字が書かれた純粋はちみつは、精製処理・加糖処理されていないものでなければならないそうです。
しかし、現状この「純粋はちみつ」と書かれている製品の多くは、海外から輸入された安価なはちみつをブレンドしたものが大半です。トレーサビリティの面で不安が残るものであることも確かです。
また、10年ほど前には「純粋はちみつ」と表示していながら、異性化液糖等の混入が疑われる製品が販売されている疑いが生じる製品があり、農林水産省が調査を行ったこともあり、残念ながら加糖が混入していたことが判明したケースもあります。
さらに、加熱処理されたものであっても「純粋はちみつ」と呼んでいいと言われているうえに、はちみつ公正取引委員会という機関が定める純粋はちみつを名乗るためには「生」「未処理」などの記載ができないため、純粋はちみつ=ローハニー、生はちみつではありません。
天然はちみつとは?
同様に、天然はちみつ、無添加はちみつなどという表示もたまに見かけます。たいていは、一切添加物を加えず、精製・加糖などの加工を行わない未処理のはちみつのことを指しますので、上記の「純粋はちみつ」とほぼ同義のようです。
しかし、あえて「天然はちみつ」を使う意図は、上述したように「純粋はちみつ」ははちみつ公正取引委員会によって「生」「未加熱」などを謳えないようになっており、生・未処理(未加熱)のはちみつの場合は「純粋はちみつ」の名称を使えない場合に使っていることもあるようです。その場合はボトルやラベルの表示をチェックしてみてください。
ただし、「天然はちみつ」には法的な定義はありません。そのため、業者やメーカーによって「天然」の定義が異なります。全成分表示や製造法をチェックして、上記5つのどれに該当しているかをチェックしましょう。
有機はちみつ(オーガニックはちみつ)
有機はちみつ(オーガニックはちみつ)という表示も最近見かけることが増えてきました。しかし、日本の有機JASでははちみつへの有機認証は行っておらず、有機認証の対象外となっています。一方、民間団体ではありますがJONA(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会)が、はちみつの有機認証を認定しています。
そのため、現在日本で市販されている有機はちみつ(オーガニックはちみつ)と書いてある製品は、
- 海外のオーガニック認証を取得した有機はちみつ
- JONA(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会)認定の有機はちみつ
- 「なんちゃってオーガニック」な有機はちみつ
のいずれかであると言えます。
海外のオーガニックはちみつはEUのものが多いようです。ただし、海外のオーガニック認証を取得した有機はちみつであっても、ラベルにはその表示が一切ないというケースも多いです。その場合消費者は、業者やメーカーの言説を信じるしかありません。
一方、JONA認証のはちみつは、その数はごくわずかです。JONA認証はネットでは時々見かけることが増えてきましたが、まだまだJASに比べると認知度が低くスーパーや百貨店で販売されているものは少ないのが現状です。
また、一部の成分に海外の有機認証のはちみつなどを使用したなんちゃってオーガニックな有機はちみつもあるようです。たとえば、有機はちみつに加糖して作られたものなどもあるようです。
したがって、「有機はちみつ」「オーガニックはちみつ」と書いてある場合は、必ず全成分をチェックするか、製造者やメーカーの表示を見て信頼できそうかどうかを確認してください。
はちみつの「公正マーク」は信頼できない?
なお、はちみつ製品にははちみつ公正取引委員会による公正マークがつけられているものもあります。これは、一見信頼できそうですが、実際にははちみつ公正取引委員会に会費を払って会員になった企業であればどれでも使用できるものなので、品質の保証にはなりえません。
はちみつの「産地表記」をチェックしよう
はちみつの産地を見るとある程度のクオリティが分かります。
- ドイツ・フランス・イタリアなどの欧州諸国:最も環境意識が高くオーガニック先進国が多いので比較的安心できる
- 南米諸国:安価で大量に生産するはちみつ産地が多い。クオリティがまちまち
- 中国:加糖はちみつの混在など安全面で疑問が残る所も多いが、最近では欧米の認証取得のはちみつ製造に意欲的
- 国産:一番安心できそうなイメージだが産地によって品質が異なる
このような特徴があります。複数の産地を混ぜているものも多いですが、一般的に1つの養蜂家がはちみつ採取から製品化までを手がけているところのほうが品質が安定していると思われます。
はちみつの「蜜源」を知ろう
はちみつには、蜜源となる花・植物があります。それぞれ味や香りが異なります。
- 百花蜜:様々な花を蜜源とするはちみつ。味が安定していて美味しいと言われている
- マヌカハニー(マヌカはちみつ):ニュージーランドのマヌカの木の花から取れるはちみつ。医療目的などで使われる。
- れんげ蜜:日本では人気の高いはちみつ。最も食べやすいはちみつであると言われています。
- アカシア蜜:れんげ同様人気の高いはちみつで、はちみつの女王とも呼ばれます。冬になっても結晶しにくいのが特徴。
- クローバー蜜:レンゲ蜜、アカシア蜜と並んで人気のはちみつ。淡い味わいで癖がないのが特徴。
- とち蜜:西洋ではマロニエと言われます。若干癖のある香りで好みは分かれます。
その他、桜やラベンダー、びわ、りんご、なたね、菜の花など色々な種類の蜜源があります。
まとめ:スーパーで本物の「はちみつ」を見分けるには「純粋はちみつ」「天然はちみつ」または「有機はちみつ」を手がかりにしつつ、ラベルの表示などをチェックする必要がある
以上、日本でのはちみつの表示や種類について解説しました。残念ながら、オーガニック・自然派ママが納得できる本物のはちみつをスーパーで手に入れるのは難しいかもしれません。
「純粋はちみつ」「天然はちみつ」または「有機はちみつ」と記載されちえるものを手かがりにしつつ、産地や生産者のこだわりなどをラベルでチェックして選ぶというのがベストだと思います。
また、生はちみつやローハニーを求めている方は、「純粋はちみつ」の場合は生・未加熱などを謳えないので、「純粋はちみつ」ではなく「天然はちみつ」などを手がかりに探すと良いでしょう。※ただし生はちみつはほぼスーパーでは市販されていません。
最近日本では都心を中心にオーガニックスーパーの新規開店が相次いでいます。こうしたスーパーが近くにある場合は、はちみつコーナーでオーガニックはちみつを手に入れられると思いますのでチェックしてみてください。
※ビオセボン中目黒店のお出かけレポートはこちらに書いています。
※六本木福島屋のお出かけレポートはこちらに書いています。
※妊娠中~授乳中のママが安心してはちみつを食べるには?どういう基準で選ぶべきかはこちらの記事にまとめています。
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